基板設計のシミュレーションはなぜ必要?
基板設計のシミュレーションは、電子機器の安定動作や試作回数削減によるコストカットなどを実現するために必要といえます。シミュレーションを行う際は、目的に合わせた方法を選ぶことが大切です。
こんな場合はシミュレーションを
シミュレーションは、プリント回路基板(PCB)設計に欠かせないものとして注目されています。「基板の作成から評価まで行いたい」「動作の不具合にどう対策すればいいか迷っている」など、シミュレーションが必要となる場面は様々です。
シミュレーションを行うことによって、電子機器が安定した動作を維持しやすくなります。不具合の原因を取り除けば、検証・対策にかける時間が減り、効率的な作業につながるのがメリットです。
また、事前のシミュレーションは試作の回数を減らすことにもつながります。試作に必要なコストをカットでき、費用面でもいい影響をもたらすのが嬉しいポイントです。さらに、最適な部品を選びやすくなり、プリント基板の単価を下げることも可能といえます。
こちらでは、状況別に最適なシミュレーションについて解説します。シミュレーションを選ぶ際の参考にしてみてください。
信号品質やマージンを設計段階で判断したい場合:SIまたは高速伝送
SI(シグナルインテグリティー)は、主要な部品のレイアウトやドライバー能力をはじめとしたパラメーターを最適化し、効率的な配線・配置を実現するものです。部品定数や信号配線を評価し、機器が正常に動くか確かめることができます。
初期段階でシミュレーションを行えば、時間短縮や試作回数の削減につなげることが可能です。また、SIはこの他のケースにも用いられることが少なくありません。
高速伝送では、レイアウト設計や製造技術、伝送解析、基板材料を組み合わせることで高速伝送プリント基板に対応できます。具体的には、3次元電磁界シミュレーションやSパラメーターシミュレーションなどが行われるのが特徴です。
DDRメモリーの動作を確認したい:PIもしくはSI
PI(パワーインテグリティー)は、高速・低電圧動作デバイスの同時スイッチング解析に対応し、電源配線を設計する際に電圧ドロップのマージンを確認できるものです。LSIが求めるスペックを電源電圧が満たしているかチェックし、トラブルなく機器を動作させられるか検証します。SI同様に、他のケースにも頻用されます。
電源の品質をチェックしたい:EMI/EMCもしくはPI
EMI/EMCは、問題を可視化し、経験や勘に頼らないノイズ対策を可能とするシミュレーションです。信号配線からの放射シミュレーションや、電源プレーンの共振解析などを行います。プリント基板から外部の機器へ必要のない電磁波の放出を抑えられる設計になっているか、外からのノイズの影響で不具合を起こしにくいかを検証するのです。設計の初期段階でEMCルールチェッカーや伝送シミュレーションを行っていれば、EMCとSIを両立したプリント基板の実現につながります。
温度上昇に問題はないか:熱シミュレーション
機器を動かした際に温度の上昇を抑えられる設計であるかを検証します。温度上昇をできる限り抑える設計にすると、機器の寿命や安全性、性能を確保しやすくなるのです。
シミュレーションのご依頼はニソールへ
シミュレーションには様々な種類があり、目的に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。信号品質やマージンを設計段階で判断したい場合はSIまたは高速伝送、DDRメモリーの動作を確認したい場合はPIもしくはSIといったように最適なものを選び、シミュレーションを行うことでスムーズな基板設計につなげられます。
また、シミュレーションには、電子機器の安定動作を実現するといったメリットがあります。不具合の原因が明確になれば検証や対策にかける時間を短縮でき、作業効率が上がります。他には、試作の回数が減ることでコストをカットできたり、最適な部品を選ぶことでプリント基板の単価を下げられたりといったように、シミュレーションを使えば多くのメリットを得られるのが大きな魅力です。
ニソールでは、お客様のご希望に合わせて最適なシミュレーションを実施し、スムーズな基板設計をサポートいたします。SIシミュレーションやPIシミュレーション、EMIシミュレーションなどに対応しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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