基板設計でよく聞くガーバーデータとは?
ガーバーデータは、プリント基板設計に欠かせないものです。もともとは一つの企業の独自のファイルでしたが、現在では基板業界で幅広く利用されています。現在のフォトプロッタ用ファイルフォーマットの国際標準は、RS-274Xです。
プリント基板で重要な役割を果たすガーバーデータについて解説
ガーバーデータは、プリント基板において重要な役割を果たすものです。しかし、言葉は聞いたことがあっても具体的な内容がわからない場合も少なくありません。
こちらでは、プリント基板に欠かせないガーバーデータについて解説します。
ガーバーデータとは
ガーバーデータは、アメリカの会社(ガーバー・システム)が考案したファイルフォーマットのことです。
ガーバー・システム社はもともとフォトプロッタにおいて業界トップシェアを誇っていたこともあり、プリント基板で用いられるフォトフィルムプロッタ用のファイルフォーマットの基準となりました。その後、EIA(アメリカ電子工業会)によって標準化され、業界標準となりました。
そして、1998年にはガーバー・システムを買収したBarcoにより拡張ガーバーであるRS-274Xが生み出されたのです。
ガーバーデータの出力形式は2種類
ガーバーデータには、現在の業界標準である「RS-274X」(拡張ガーバー)と、「RS-274D」(標準ガーバー)の2種類のフォーマットが存在します。両者の違いはDコードを含むかどうかです。
RS-274Dは、データの受け渡しでDコードが必要です。しかし、RS-274XはDコードが不要でトラブルなくデータの受け渡しができるため、標準の形式になっています。
今後のデータ形式
ガーバーファイルは「ガーバーイメージ」と呼ばれることもあります。その理由は、パターンを画像として表現する点に優れているからです。
しかし、プリント基板設計や部品の実装には、様々な情報が必要です。その画像は基板のどの層の部分なのか、部品は何が必要かといったことを示すファイルが必要で、基板設計にあたっては、設計者と製造業者のコミュニケーションに支障が出てきます。
そのため、より多くの情報も含めたフォーマットである「Gerber X2」と「IPC-2581」が徐々に利用されつつあります。
・Gerber X2
Gerber X2は、Ucamcoにより2014年に発表された規格です。基板の層やドリルデータなどの情報を一つのファイルに含められるため、基板設計者と製造業者のやりとりがよりしやすくなるメリットがあります。X2は一連の属性を定義して、設計から製造への製造データの転送を合理化します。
・IPC-2581
IPCをもとに推進している規格です。基板の層の順番・素材・部品実装のデータなどが情報として含まれ、設計者・製造業者・実装業者がより効率的にコミュニケーションできることを目標に生み出されました。
そしてさらなる標準
Gerber X3は、CADに保持されているコンポーネント情報をEMSおよび組立会社に転送する方法に革命をもたらします。既存のワークフローとの互換性と実装の容易さにより、新しいデファクトスタンダードになります。
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基板設計のご依頼ならニソールへ
この記事では、プリント基板で重要な役割を果たすガーバーデータの概要について解説しました。
ガーバーデータの中にはプリント基板の構成に欠かせないイメージが入っており、設計段階から製造に至るまで大切な役割を果たします。拡張タイプと標準タイプの2つの形式があり、標準タイプは2次元のみに対応しており、必要に応じてアパーチャーを用いるのが一般的です。
また、今後はより多くの情報も含めたフォーマットである「Gerber X2」と「IPC-2581」の利用も進みつつあります。
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基板設計
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データチェック
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お客様チェック
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データ納品
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ご要望に応じてCAD生データの納品も承っております。
基板製造~基板実装
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