基板をCAD機能で効率化!?基板設計の魅力を解説!
基板設計におけるCADソフトの役割をご存じでしょうか。基板設計は電子回路を品質向上する上で外せない設計であり、高い技術力が要求されます。そして、CADソフトは設計者の基板設計を強力にサポートし、電子回路の品質向上や工数削減に寄与します。このように、基板設計において、CADソフトは欠かせない存在なのです。こちらでは、自分で基板設計の流れや回路設計者が基板設計を行うメリット、基板設計におけるCADソフトの魅力を解説いたします。
目次
基板設計の重要性とCADソフトを使った基板設計の流れ
基板設計は、「基板によって生じる不具合をなくし、意図した通りに動作させること」が目的です。この目的を満たした適切なCADソフトを選ぶために、機能や基板設計の流れをお伝えいたします。
基板設計の重要性
CADソフトが必要な理由として以下が挙げられます。
ミス・不具合の未然防止
最も重要なのが、ミスや不具合の未然防止です。基板設計においては配線を正しく行うだけでなく、部品が要求するパターン配置、GNDベタの形状・範囲、部品近傍、基板端の禁止領域など、製造ルールに従って設計を行う必要があります。人が設計を行う以上、人為的なミスは必ず生じるものです。CADソフトのDRC機能を使えば、ミスを自動でチェックしてアラートを出してくれます。それにより、ミス・不具合を未然に防ぐことができます。
作業スピードの向上
不具合の防止と同様に重要なのが、工数の削減です。設計者の時間は有限なので、重要なポイントに時間を割けるよう、作業を効率化する必要があります。CADソフトでは、簡単に部品配置・配線が行えるだけでなく、自動配線や配線アシストの機能もあります。作業にかかるスピードを大きく向上させることが可能になります。
データの再利用や連携
CADソフトを利用することで、データを再利用したり、別のアプリケーションと連携できたりすることも見逃せないポイントです。部品はライブラリ登録すれば何度でも呼び出して使用できます。また、過去の設計データを流用して一部設計変更することも可能です。さらに、回路図や部品表と連携することで基板図との齟齬を発見でき、EMCシミュレータと連携すれば自動でノイズに弱い部分を見つけられます。
CADソフトを使った基板設計の流れ
CADソフトを使った基板設計は以下のような流れで行われます。
1.基板外形寸法の入力
CADソフト上に基板外形やキリ穴といった基本的な構造を入力します。寸法が間違っていると後の工程に多大な影響を与えるので、細かい所までチェックして次の工程に進むようにしましょう。
2.部品ライブラリ登録
使用する部品の形状やピンの特性を部品ライブラリに登録します。CADソフト上で部品を登録しておけば、何度でも呼び出して使えるようになります。部品端子の間隔はインチ単位で設計されていることが多いです。
3.パターン設計
外形寸法と部品登録後、いよいよ基板設計の開始です。配置した部品同士を回路図に合わせてパターンで接続します。パターンの電流容量やノイズへの耐量、インピーダンス整合、製造のしやすさなどに注意しながら設計するため、技術のいる作業となります。また、配線だけでなく、ベタGNDの範囲を決めることも重要な作業です。CADソフトによっては補助機能が充実しており、うまく活用すれば工数を抑えられます。
4.シルク設計
シルクとは、基板上にロゴやテキストを記載することです。基板を見たときに、ブロックごとの機能や部品配置などをわかりやすくする役割を担っています。開発中の検証作業をはじめ、製造時や発売後の不具合対応など、設計者以外が基板を製造・チェックする際に役立ちます。
5.各種検証(DRC)
設計内容にミスがないかを検証します。主なチェック項目は以下のとおりです。
- 回路図のネットリストとの比較
- 部品のピン特性に合った配線のチェック
- パターンのインピーダンスチェック
- パターンのEMC特性のチェック
- 独自ルール(禁止領域など)のチェック
このようにチェック項目は多岐にわたります。基板が大規模になり、人力でのチェックが難しくなったことから、CADソフトで自動検図を行うのが一般的です。
6.ガーバーデータ出力
ガーバーデータとして出力したら完成です。ガーバーデータはファイル形式の一つであり、基板工場で基板を製造するための世界標準のフォーマットとして利用されています。
回路設計者が基板設計を行うメリット
基板設計とは、プリント基板における部品配置や、部品端子間をパターンで接続することです。回路図では部品端子間の接続は考えますが、その間にある配線の影響は考慮しません。しかし、実際はパターンによってインピーダンス、キャパシタンスが発生するため、回路に影響を与えます。他にも、パターンごとのインピーダンスの不整合で信号が乱れる、形状によってパターンがアンテナとなって周囲のノイズを増幅して拾うなど、基板には数多くの不具合の原因が眠っています。そのような不具合を抑えて高品質の基板を製造するには、高い技術が欠かせないのです。
回路設計者が基板設計を行うメリット
不具合・修正の工数を低減
回路設計においては、回路設計者が最も詳しい情報を持っています。外部委託する場合は必要な情報をすべて提供する手間が必要になり、抜けや漏れがあると不具合につながるため、工数を見込んでおく必要があります。
また、CAD設計者はCADソフトを使うプロですが、必ずしも回路設計者のプロではありません。回路設計者の意図が正しく伝わらず、伝達ミスによる不具合を誘発する可能性もあります。その点、回路設計者が基板設計を行えば、やり取りを行う手間をなくすことができます。
基板設計に合わせて回路図の修正を入れることもできるので、不具合をなくし、修正にかかる工数も低減できるようになるでしょう。
回路設計者のスキル向上
回路設計者のスキルを高めるうえでも、基板設計を回路設計者が行うメリットがあります。基板設計で苦労するポイントを理解しておけば、基板設計に配慮した回路図を作成することができます。外注する場合も、適切な情報を伝えることができます。回路設計者が基板設計を行うには追加の工数が必要です。その際、基板設計の手間を軽減するものが回路図CADソフトになります。電子回路は年々微細化・高密度化が進んでおり、設計に必要な技術力や工数も増えているのが現状です。技術者を支援するツールとして、様々なメーカーからCADソフトが販売されています。
中には無償で提供されているフリーCADソフトも存在します。
いきなり有料のCADソフトを利用するのは難しいという方は、無料で手に入るフリーCADソフトから試してみることをおすすめします。有料のCADソフトと比べると機能に制限はありますが、基板の規模によっては、フリーCADソフトでも十分な機能を有している場合が多いです。
ニソールが提供しているCADLUSシリーズの特徴
フリーCADソフトはどのような機能を持っており、どのように基板設計の役に立つのでしょうか。
ニソールが提供しているCADLUSシリーズのうち、無料版の「CADLUS X」や「CADLUS PCB」でできることについてお伝えいたします。
8層基板まで対応
片面から8層基板までの設計が可能です。IVHやビルドアップ基板にも対応しております。
豊富な部品ライブラリで簡単設計
「CADLUS X」、「CADLUS PCB」は約20,000点の部品ライブラリを無償で提供しております。数多くの部品を利用できるため、登録や作成の手間を削減できます。ライブラリにない部品についても、無料で部品登録リクエストが可能です。
簡易的な操作が可能
アシストツールなどの機能によって、直感的な操作でスムーズな設計が行えます。決めたクリアランスルールに従っているかを、DRCでチェックすることが可能です。また、配線が回路図通りに接続しているかも、逆ネット抽出処理によりチェックできます。
生データで基板を発注できる
生データで基板発注を完了することが可能です。通常、基板設計のデータはガーバーデータでの発注となります。しかし、ガーバーデータの出力は煩雑な面があり、なるべく手間を低減したいものです。「CADLUS」なら面倒なガーバーデータ出力が不要なため、早期に基板を発注できます。
ワンクリックで簡単に製造依頼
全国の基板工場と提携しており、作成・保存したデータを設計ソフトからワンクリックで簡単に注文できます。製造・納品までが迅速に行えるため、煩雑な設計フローも効率的に進められます。
「CADLUS X」や「CADLUS PCB」は市販CADと遜色なく、即戦力な機能を無償でご利用いただけます。さらに、基板設計会社ならではの充実したサポートもご用意しております。基板設計をお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。
基板設計・基板CADソフトのことならニソールへ!
パターン配線の効率化や自動チェック機能の充実により、基板設計においてCADソフトは欠かせない存在となっています。基板設計を社内で行うのであれば、まずはCADソフトの導入から始めるとよいでしょう。CADソフトは高価な製品からフリーでダウンロードできる製品まで、幅広い価格帯と機能を持った製品が販売されています。そして、比較的小規模な回路を設計するのであれば、フリーCADソフトでも十分に基板設計を行うことができるでしょう。ニソールの「CADLUS X」や「CADLUS PCB」であれば、無料で8層基板までの設計ができ、回路図と連携させたDRCなども行えます。基板設計をご検討の際は、ぜひ試していただけると幸いです。
CADや基板設計のことならお任せ!基板設計に関するコラム
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ご依頼から納品までの流れ
【基板製造】見積り依頼データご提出
基板製造などの見積りに必要なデータをお送りください。
送り先メールアドレス : info@nisoul.co.jp
必要データ
- 回路図
- 部品表
- 基板仕様(外形寸法、層数)
※上記データが全て揃っていない場合も基板製造などのお見積りが可能です。
実装、部品調達の見積りを希望される場合は、部品表をエクセルデータでいただけますと、お見積りを早くお出しできます。
データ作成
部品データ、外形、手書き回路図の場合はネットリストを作成いたします。
部品配置
基板に対して最適な部品配置を行います。お客様から配置指示がある場合は支持を優先いたします。
レイアウトチェック
部品配置完了後、お客様への部品配置のレイアウトチェックを行っていただきます。
PDFまたはCADLUS Viewerにて確認いただけます。
CADLUS Viewerのダウンロードはこちら
基板設計
部品配置の承認をいただきましたら、配線作業、シルク文字入力を行います。規模に応じて、区切りをつけてのご確認をお願いしております。
データチェック
DRC、異ネットチェック、第三者チェックを行います。
お客様チェック
社内チェック後、お客様にて最終検図を行っていただきます。
別途費用にてシミュレーションも行っております。
CAMデータ出力
お客様の検図承認をいただき次第、ガーバーデータ、NCデータ、マウントデータ、メタルマスクデータを出力いたします。
データ納品
メールまたはサーバーへのアップロードにて出漁いたしました製造データをお送りいたします。
ご要望に応じてCAD生データの納品も承っております。
基板製造~基板実装
ご要望に応じて基板製造、部品実装までも承っております。
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会社名 | 株式会社ニソール |
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